寒天って何?


目次

1. 寒天-ところてん
2. 寒天の歴史
3. 寒天の種類
4. 寒天ができるまで(糸寒天)
5. 寒天の原料
6. 粉寒天と糸寒天 どっちがいいの?
7. およねさんの寒天をオススメする理由
8. 寒天成分表


寒天-ところてん

「ところてん突き」で細長く押し出されて、酢醤油で食べるものが「ところてん」と思われていますが、実際にはテングサという海藻から成分を抽出し固めたものを「ところてん」と言います。
寒天とは、その「ところてん」から水分を抽出したり、凍結・解凍によって分離し繊維質とグルテンのみに加工した加工品の名称なのです。
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寒天の歴史

東インド洋で集められた海藻が中国に渡りところてんとして食べられていたものが、平安時代に日本にも伝わり、高級品として食べられていたのが始まりのようです。

しかし寒天は日本で発明されました。
江戸時代の初期に京都伏見の“美濃屋”の主人太郎左衛門が、島津藩主に出したところてんの残りを寒い戸外においたところ、それが数日後に白く変化していたのに興味を持ち研究を始め、後に「ところてんの乾物」として発売したのが始まりだと言われています。

現在海外でもAgar、またはAgar-Agar・Japanese Isinglass等と呼ばれ、その食物繊維含有量などが認識され健康食として食べられつつあるようです。
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寒天の種類

粉末寒天(粉寒天)糸寒天
乾燥した寒天を粉砕して粉状にします。医薬用・化粧品用などに利用されていますが、最近のダイエット・ブームで、計量や料理への応用が簡単なことから人気が出てきています。 テングサから抽出した「ところてん」を糸状にしてから、凍結・融解・乾燥させます。
角寒天(棒寒天)より強度が高いのが特長。形状と食感をいかして水に戻しただけの状態で春雨のように、サラダにしたり、スープに入れて食べるのがオススメです。(もちろん通常の寒天のようにもお使いいただけます)
角寒天(棒寒天)フレーク
凍結・融解・乾燥により、繊維質とグルテンのみにした状態の寒天。
使う際に水漬けたり、裏ごししなければならないといった手間があるため生産量は減少気味。
凍結脱によってフレーク状に加工されたもの。和菓子などに利用されています。
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寒天ができるまで(糸寒天)

寒天の天日干し作業
寒天の天日干し作業
  1. テングサを中心にオゴノリ、エゴノリなど数種類の海藻から不純物を取り除き、寒天液を抽出します。
  2. 寒天液を固め「ところてん」が作られます(この時点では99%が水分です)
  3. ところてん突きなどで細く成型し糸寒天に
  4. 「ところてん」の水分を分離し、12〜2月の厳寒期に戸外に出し、夜間凍結させ、日中に融解・乾燥させるということを繰り返すと、繊維質とグルテンのみからなる寒天ができあがります。この間雨や雪で濡れないように細心の注意を払うことが必要です。
岩村町は日中の寒暖の差が激しく、雪も少ないので寒天作りには最適な環境です。

また最近では加工の仕方によっていろいろな種類の寒天を作ることができるようになりました。詳しくは「寒天の種類」へ。
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寒天の原料

寒天の材料にはテングサやオゴノリといった“紅藻”と呼ばれる海藻が使われます。“紅藻”といってもその中にはいろいろな種類があります。代表的なものは以下のようなものです。
分類日本名属名種小名特長
テングサ目
テングサ科
マクサGelidiumelegans一般的にテングサといわれる、テングサの代表種
オオブサGelidiumpacificum一般的に“あらめ”と呼ばれているがテングサの一種
オニクサGelidiumjaponicum寒天に一部使われることも
オバクサPterocladiellatenuis寒天に一部使われることも
ヒラクサPtilophorasubcostata寒天にはそんなに使われない
オゴノリ目
オゴノリ科
オゴノリGracilariaasiatica寒天の原料として良く使われる
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粉寒天と糸寒天 どっちがいいの?


粉寒天
糸寒天
成分成分に違いはありません。詳しくは、「寒天成分表」
1日に必要な
量の目安
1日に小さじ2杯くらい
6g〜7gです。
採り過ぎは逆効果なのでご注意下さい。
詳しくは「どのくらい食べればいいの?」
料理の
バリエーション
煮溶かして調理する場合は、糸寒天と変わりはありません。
粉寒天ならではの使用法としては、熱いお茶やコーヒーにスプーン1杯入れて飲む、などがあります。

詳しくは「寒天レシピ」
煮溶かして調理する場合は、粉寒天と変わりはありません。
糸寒天ならではの使用法としては、海草サラダに入れる、味噌汁の具としてちぎって入れる、寒天の巻き寿司、などがあります。

詳しくは「寒天レシピ」
使いやすさ粉なのでそのまま計量して入れるだけ。とってもお手軽です。一度水で戻してから、煮て溶かします。
ご飯やお茶に入れてカレーライスに入れて
ほぼ無味無臭なので
普段食べている食事に混ぜて
違和感なくお召し上がりいただけます。
保存粉なので場所を取りません。湿気に注意して、保存してください。賞味期間は2年間です。粉寒天に比べ、少しかさばります。湿気に注意して、保存してください。賞味期間は2年間です。
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およねさんの寒天をオススメする理由

寒天原藻採取(インドネシア)
寒天原藻採取の様子(インドネシア)
弊社の歴史は、創業者の今井貞吉が1928年に糸寒天製造を開始したところから始まります。天然糸寒天の製造には、寒冷でありながら降雪が少ないという岐阜県岩村町の気候が大変適しており、有力な地場産業として着実に発展しました。最盛期には、冬になると東北から数十人の出稼ぎ労働者に来ていただくほど。それは大変な賑わいでした。

1961年には寒天製造の工業化を実現し、粉寒天の製造を本格化させました。これにより、従来冬だけ可能だった寒天製造が、年間を通じて可能になりました。
寒天原藻乾燥場にて(チリ)
寒天原藻乾燥場にて(チリ)


1973年頃から、寒天の原料「天草」の生産地である南米(チリ、アルゼンチン、ブラジル)、東南アジア(インドネシア)、中国、スペインとの交流が深まりました。1970年代から80年代にかけて、弊社社長が何度も現地を訪れ、技術指導をしました。そして、生産技術が十分向上したところで、寒天の生産を順次現地に移転していきました。
 それは、日本の発明品である寒天を、海外で根付かせていくという地道な努力でした。

寒天工場機械据付(中国)
寒天工場機械据付(中国)
弊社は、みずから技術指導した相手から、高い品質の粉寒天だけを輸入し販売する形へとその業態を変化させ、現在に至っております。他の輸入専門業者とは違い、伝統と確かな技術によって高品質を維持しつつ低価格化を果たした、いわば「和才洋魂」の寒天を販売しております。

 約80年の伝統の技による、およねさんの寒天をぜひご賞味下さい!
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寒天成分表

 藻類/てんぐさ/素干し藻類/てんぐさ/角寒天
一般成分廃棄量 (%)00
エネルギー (kcal)00
エネルギー (kJ)00
水分 (g)15.220.5
たんぱく質 (g)16.12.4
脂質 (g)10.2
炭水化物 (g)53.874.1
灰分 (g)13.92.8
食物繊維食物繊維総量 (g)47.374.1
ミネラルナトリウム (mg)1900130
カリウム (mg)310052
カルシウム (mg)230660
マグネシウム (mg)1100100
リン (mg)18034
鉄 (mg)64.5
亜鉛 (mg)31.5
銅 (mg)0.240.02
マンガン (mg)0.633.19
ビタミンα-カロテン (mcg)130-
β-カロテン (mcg)130-
ビタミンK (mcg)7300
ビタミンB1 (mg)0.080.01
ビタミンB2 (mg)0.830
ナイアシン (mg)2.20.1
ビタミンB6 (mg)0.08Tr
ビタミンB12 (mcg)0.50
葉酸 (mcg)930
パントテン酸 (mg)0.290.46
ビタミンC (mg)Tr0
  • 表示される値は、可食部100g当たりに含まれる成分を表す。
  • 青色数値は暫定値を表す。
  • mcg=マイクログラム
  • Tr=微量
  • 藻類/てんぐさ/素干し⇒市販の寒天原藻
    藻類/てんぐさ/角寒天⇒原藻を煮熱し、ろ過した液を凝固させた寒天ゲルを凍結・融解による脱水工程を経て乾燥させたもの(角状のものの数値)
  • 五訂増補 日本食品標準成分表では上記の4食品のカロリー表示(kcal/KJ)があるが、これは改訂時に暫定値としてひとつの指標を出すため、その食品(可食部分100g当たり)に含まれているタンパク質、脂質、炭水化物を割り出して、各「エネルギー換算係数」*注1を乗じ、三つを足し算して出す。という方式を使用したために生じたもので、2003年厚生省の通達で「寒天は0kcalである」と訂正されているため全て0表示とした。
    *注1 エネルギー換算係数について
    各1g当たりのタンパク質に4kcal、脂質ニ9kcal、炭水化物ニ4kcalを乗ずるいわゆる「4・9・4係数」(アットウオーター係数)を便宜上、採用する測定方法。食物繊維は消化されにくいので、実際に利用されるエネルギーは50%で算出するとみられる。改訂時には今までカロリー表示にばらつきのあった、こんにゃく・きのこ類・藻類など、十食品・計八十九食品のエネルギーの表示に踏み切ることにした。
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